離婚は印鑑から

知人の姉の話である。
彼女は、ずっと離婚を考えている。
ずっととはいっても2年くらいの話だが。
なぜ、彼女が幸せな結婚生活を続けられなかったかというと、
旦那の借金及び浪費が発覚したからだった。

借金は、発覚後、彼の親にも手伝ってもらい返済の手段をとった。
借金は、パチンコと飲み代によって発生していた。
家では缶ビールさえ飲まなかった。
給与は、アパートの家賃を払う余裕がなくなっていたのだ。
今後の生活を考えると不安で仕方なかった。
それでなくても、子供を産んだ後から夫婦の会話がなくなった。
何が彼の「本当」なのか分からなくなった。

そんな中、また借金が発覚した。きっかけは、スーパーで旦那の友達に偶然会った事。
「この間はごちそうさまでした」と言われ、あたりさわりのないように聞き出すと、
旦那はここ5回は飲み会でおごっているという。
そんなお金ないはずだ。自由になるお金なんてもうない。
おかしくなりそうだ。
今度はいくらなの?
言いようもない不安が全身を襲う。
手も震えていた。
初めて「離婚」の二文字が頭をよぎった。

スーパーで食料品を購入することなんてできない。しかし、どこに行けばいいかわからない。
家に帰っても落ち着かない。
実家に帰ろう。
途中、はんこ屋の前を通った。無意識に近い気持ちだったが、
わずかに前を向いて生きていかねばならない、自分の足で歩まなければならないと思っていたのだろう。
旧姓の印鑑を買っていた。
近い将来から、勇気を出さなければいけない場面が多いだろう。
印鑑は、彼女にとって守り神となった。
離婚する踏み出す勇気は印鑑から。

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